山じい完全ウォッチング

名工大生の就活に必要な情報を発信中。名古屋工業大学キャリアサポートオフィス長 山下教授に完全密着。Presented by welcomes inc

決断力のあるオーナー企業で技術職につくメリット|おもろい企業 セキソー (後編)

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おもろい企業探索ツアー第12回は、『株式会社セキソー 』。
このシリーズは名古屋工業大学に縁のある企業を訪問して、社長や役員、名工大卒業生に話を聞き、山じいの視点からその魅力に迫るという企画です。では後編をどうぞ。(前編はこちら)

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採用の観点でセキソーを紐解く

前編では音のセキソーについて紹介した。

テクニカルセンターでお話を聴き、そして制御された車の音を聴かせてもらい、改めて、おもろい仕事できてるやん!! って思ったわけですわ。

そやけどね、何で、そんなおもろい会社にもう14年も名工大生入ってへんのやろか???

君たち、おバカか??? んな訳ないよな。

アカンのはその魅力を訴えられていないセキソー自身だし、それを紹介できていない山じいなんやないかってね、猛省しているところなんですわ。

今回はその責任の重いセキソー名工大OB(総勢5名)を紹介し、今後の採用活動に向けてプレッシャーを掛けていこうと企んでいる。

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山じいの研究室出身で同郷、付き合いの長い大島君

まず、いの一番は名工大OB最年長で技術開発部・材料担当部長の大島君(以下、おおちまくん)。

彼は山じいの研究室出身で48歳、地元も同じ四日市

卒業高校も同じであり、山じいとは縁の深いOBの一人なんだ。

研究室時代はとっても大人しく目立たない学生で、就活当時はバブルの弾けた2年後。

就職に関しては真っ暗けの時代だったが、彼は進学よりも卒業を選んだものの、この大人しさに加えて学部卒ということで就活には相当苦しんだそうだ。

さらに、就職先は実家から通える所という大きな縛りがあり(なんと彼は今も四日市の実家から岡崎まで通っている!!)、その当時の就職担当教授から勧められたのが、愛知環状鉄道北岡崎駅の目の前にあってギリギリ通えるセキソーだった。

山じいとは同郷だということもあって、卒業後も2~3年に一度ぐらいはいろんなお菓子を持って研究室を訪ねてくれて、一通り話したのち一緒に四日市まで車で帰るということを何度かやった覚えがある。

そのうち彼は、セキソー・アメリカの事業拡大に伴い、設備の導入と立ち上げのために出張を繰り返すようになり、さらに3年間生産技術を見るという責務を負い渡米した。
セキソー・アメリカは、サンフランシスコの東にあるトヨタ自動車の工場への出荷を担っていたようだ。

さすがにアメリカまでは四日市から通えないので、彼も諦めて一人暮らしをしていた。

その後、トヨタ自動車が西海岸の工場が閉鎖となって(現在はテスラの工場になっている)セキソー・アメリカも同時に閉めることになり彼は一時帰国したが、セキソー・アメリカの設備を西海岸からミシシッピ州の新工場に移設するために再度渡米した。
その数年間の渡米中、彼にはどうも似合わないアメリカンライフを満喫していたようだ。

サンフランシスコ近隣には、Napa Valleyというワインの名産地があり帰国する時には、いつもお気に入りのナパワインを片手に研究室を訪ねてくれて、夜中まで宅呑みをしていた。

彼の地で一人暮らしをすることで、元々器用だった彼は家事一切に困ることがなくなり、その所為もあってまだ一人身なんだよな。(誰か良い人いませんかね??)

ま、それは良しとして、セキソーのアメリカ事業所を閉めるという大事な任務を任されてたんだから、会社からの信望は相当高かったんだろうな。

さすが山じい研のOBだ!!! エライ!!!

だけどね、彼が研究室を卒業してからもう25年が経ち、その間何度もこういう交流をしながら、セキソーに学生を紹介したのが13年前!

OB5名の中で一番若い青笹君がなんと37歳!!
もうおじさんの域だよ!!
 

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内気な学生だったのに...しっかり話せるようになった青笹君

青笹君は、彼も山じいの研究室出身で、今はおおちま君の部署で材料開発に邁進している。
しかし研究室のOBが二人しかいないとは…何やってたんだ私たちは。
なんかそういう話にはならなかったね。
セキソーもあまり名工大に積極的にアプローチしてこなかった。

それが昨年の春先におおちま君からのお願いで、採用に関する面談をすることになり、心優しいおおちま君の性格じゃ学生の採用は難しそうだったので、前編でも書いたが人事の武田さんとおおちま君に、「責任者連れて来いや!!」って話になり、今回の流れが始まった。

そう、で、そのザッサこと青笹君の紹介を。
彼は名工大の物質工学科二部出身で、彼もまたとても大人しい性格。
二部生(夜間コース履修学生)ということもあり、あまり良い就職先が見つからず、おおちま君の誘いもあってセキソー に入社したんだ。

山じいとしては長く続けられるかな? って心配してたんだけど、入社して既に15年目。

いろんな部署は経験したものの、今はおおちま部長のもとで制音材の開発に携わっている。

あれこれ経験して相当自信が付いたんじゃないかな??
学生時代と違ってよく話せるようになってました。
この調子で頑張れよ、ザッサ!!

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左から津田さんと木下さん

共同研究先だったセキソーへ就職した木下さんと津田さん

それでは、山じい研究室以外出身の残り三人の紹介を。年の順で参りますかね。

品証の部長である木下さん(おおちま部長の一つ下で47歳)と、調達でセキソーを支えている津田さんだ(46歳)。

この二人も同じ研究室の先輩・後輩の間柄で、彼らの研究室は山じい研の隣だった。
残念ながら彼らの在学時代はあまり印象にない。
学部卒だし、男子には山じい興味なし!!

彼らの研究室は山じいの研究室とは大違いで実用的な高分子の研究をやっていて、当時、制振材料の共同研究をセキソーとやっていた。

その中心が木下さん。
そのテーマを引き継いだのが津田さんという関係なんだ。
この二人で、セキソーの制振材料の新規開発とその評価を行っていたんだそうだ。
だからそのまま二人して、2年連続でセキソーの門を叩いたってわけだね。

そのまま研究内容を持ち込んで働いたんだろうけど、逆に今は品証と調達でセキソーを支えている。
そのうちジョブローテで、また開発に戻るんじゃないだろうかね?

みんなも、外の企業さんと研究室が共同研究している場合、できるだけそのチャンスを活用してインターンシップに行かせてもらったりして、就職も真剣に考えてみようね。

これもご縁だから。

共同研究先へインターンシップに行けばその会社のことがよく分かるんじゃないかな。

山じいの研究室では必ずM1(修士1年生)には3か月の長期のインターンシップ行かせて、社会人基礎力上げることに成功しているよ。
長期インターンシップはものすごく成長できるからね!!

 

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入社後すぐにトヨタ自動車に出向した鈴木さん

さて、最後の一人、鈴木さん(44歳)は、応用化学科の有機合成をやっていた研究室から学部卒でセキソー に入社。

入ってすぐ、関連の仕事をしているトヨタ自動車に出向して、制音材の開発をトヨタマンと一緒にやってたんだってさ。

制音材のプロと車づくりのプロが、コラボレーションしながら制音部材を造り上げる。

トヨタの子会社からもこういう出向はよくあることだね。

部材メーカーにいながら、そうやって車づくりの最先端に関わることもできるんだよ。
彼の入社理由は、自動車部で顧問の先生に勧められたからだそうだ。
専門家は良い仕事している会社のことをよく知ってるんだわ!

このようにセキソーには、ちょっと物静かだけど頼れる技術屋先輩が5名もいるんだ。

君らが音の扉を開けに来ることを待ってくれているよ。
音を制するセキソーに行ってみよう!!
 

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山田副社長との出会い

最後はセキソーの次世代を担う創業家のボン、山田副社長を紹介する。

前述のおおちま君へのオーダーに従い、人事の武田さんと一緒にお越しいただいたのが昨年の5月末。

そこでいろいろとお話をし、やはり学生に知られなければ接触することもできず、セキソーの良さや面白さをアピールできない、ということをご理解いただいた。

大手情報企業のナビに掲載するよりも、大学を絞って力を投入しましょうと。

まずは、名工大MONOへの出稿を決めてもらい、山じいの紹介コメント付き特別ver.のページを掲載した。

本年度号の140ページには、先ほどの先輩写真の活躍風景と共にセキソーの詳細が掲載されているよ。

そして、さらなる策がこの「おもろい企業探索ツアー」なんだよね。
MONOでは音のアピールがまだまだ弱く、山じい的には合格点を出していない。
だからこの「おもろいシリーズ」は、しっかりとセキソーの「音を制御する技術」について知ってもらう機会だと思っている。(前半記事はこちら)
 

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即断できるオーナー企業はやはり強い

セキソーの強みはもちろん音の制御がメインなのだが、山じいとしてはそれに加えて、このボンの存在が大きいと感じた。

決断力のある創業家副社長がスピーディーに物事を決められるセキソーの体制はなかなかのものだとお見受けした。

前述の初対面でのご挨拶からブログ掲載の決定まで、とてもスピーディーに話を進めることができたんだ。

もう一つのエピソードがある。

本取材の最中に学内で「どうやってセキソーを露出すれば良いか?」という話になったとき、翌週の火曜日に岡崎括りの学内セミナーがあることを山じいは思い出した。

この企画は名工大キャリアサポートオフィスと岡崎商工会議所とのコラボ企画で、東レ三菱自動車をパンダ企業(集客力のある企業)に、商工会議所が支援している岡崎の中堅・中小企業を名工大生に露出するという企画なのだが、聞くと、セキソーも立派な岡崎商工会議所の会員だという。

その場で柳村役員から商工会議所に電話をしてもらい、参加が決定したんだけど、あの時も山田副社長の即断「入れてもらいましょう!」で話が決まったんだから。

取材は金曜日だったから当日まで週末を入れて4日しかなく、周りはプレゼンの準備が間に合うのかと慌てふためいていたけど、「そんなのこの週末を使って何とかすればよい!」と鶴の一声。

このスピード感、セキソーさんの売りでっせ!! 副社長、頑張りや!!

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乗りものに"制音"は不可欠

で、副社長との話を通して感じた、セキソーの売り出しポイントは以下の3点。

1. エンジンが無くなっていくこれからに対応する

2. 制音部材生産から、制音素材の開発へ

3. 若手による新規開発チームへの挑戦 

セキソーが音を制御するおもろい企業であることは分かったのだが、これからエンジンが無くなりEV化されていく時代に果たして制音技術は必要なのだろうか?

いやいや、それがEVにはEVの騒音、雑音があるのだそうだ。

もちろん車である限り風切り音も問題であり、これからのセキソーはそういう未知の音に対しても制御能力を身に付けていかなければならないのだ。
 

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写真右下が不織布の原料

素材の能力と制音材の関係

そして、もう一つは素材の開発。

吸気ダクトや、エンジンアンダーカバーなどの制音部材を作るための素材(例えば不織布)そのものが、技術開発においてとても大事になってくる。

セキソーのキラー商品である、ハイパー・ポーラス・ダクトの原料になる不織布も、その不織布にある微細な穴が音を吸収してくれるわけで、そのスペックは不織布メーカー任せではやっていけなくなってきているのだ。

この流れから、これからは特殊スペックの不織布の開発も手掛けていかねばらない。

こんな風に、これからのセキソーはドキドキするような新しい課題が満載で、この企画を中心になって引っ張って行ってくれるような優秀な人材を求めているのだよ。

音好きな名工大生よ、我と思わん強者はおらんかい!?

 

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新しいフィールドを切り開く冒険の予算は億単位

そして、山田副社長はさらなる冒険にも打って出られている。
若手による新規部材開発チームの起動である。

よく聞くじゃない「弊社は若いうちから仕事を任せる社風です」などと…
でも、大会社でホントにそんな新人から会社の大事なプロジェクトを任せてもらえると思うかい??
山じいはその話を聞くたびに眉唾物と判断している。
よく言って、2・3年目ぐらいの新人が大きなプロジェクトに入れてもらえるレベルじゃないのかねえ。

そりゃそうさ、考えても見てよ。
ピカピカの新人にそんな大きなプロジェクト与えるって・・あり得ないよ!!
が、しかしこのセキソーはやっちゃうんだね、ってか、やらざるを得ないんだろうね。
さすがは中小オーナー企業だ!!

これを見てほしい。

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セキソーは入社1年目の新人社員のために4000万もする設備投資を行い、極細繊維素材の開発にトライさせ、海外展開できる高性能制音部材を見事に作り上げたんだ。

また、別のプロジェクトでは入社3年目の女性技術者を中心としたチームにエンジンのアンダーカバーを開発させたらしい。
こちらも製品化に至っているんだって。

会社全体が若手を手助けすることのできる環境がある会社なんだね。 

そういう職場環境がセキソーにはあるんだ。

そして何よりもドラマチックなのが、この両若手は開発プロセスを通して、なんとなんと愛を育んで結婚し、彼らの愛すべき新製品(スイートベビー)まで作っちゃったんだって。

これはもうドラマですよ、マジで!!

こういう若手にプロジェクトを任せられるのも、揺ぎない技術力を持っているという証拠であり、意志判断の早いセキソーのような中小のオーナー企業メーカーだからできるんだよ!!

音を制する新規製品の開発に、北岡崎の駅で降りてみよう!!

 

文 山じい
編集・撮影 つかっちゃん

 

 

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株式会社セキソー 

1954年長野県岡谷市にて操業を開始し、のちに本社を現在の愛知県岡崎市に移す。紙業から始まり、現在では音と振動にこだわった自動車メーカー向けの樹脂成形品、制振・防音製品、ファイバーモールド製品などを製造している。世界6ケ国に生産拠点を持ち、制音のノウハウを活かせるフィールドを開拓するチャレンジに挑んでいる。

“セキソー

“三ツ知”

“東和耐火工業”

“ヨシタケ”

“足立ライト工業所”

“筒井工業”

“名張製作所”

“関ヶ原製作所”

“槌屋”

“日東工業”

“豊田自動織機ITソリューションズ”