山じい完全ウォッチング

名工大生の就活に必要な情報を発信中。名古屋工業大学キャリアサポートオフィス長 山下教授に完全密着。Presented by welcomes inc

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独自性豊かな眼鏡レンズの「東海光学」|岡崎商工会議所 presents おもろい企業探索ツアー 特別編

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岡崎に本社を構えるメガネレンズの専門メーカー、東海光学株式会社に行ってきた。

今回は「おもろい企業探索ツアー」のいつもの取材とは異なり、岡崎商工会議所とのタイアップで東海光学のおもろさについて私が取材する様子を、20名ほどのオーディエンスが見学するという企画である。

 

 

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「取材の裏側見せます!」公開収録ならぬ、公開取材

これまで私は「おもろい企業探索ツアー」というシリーズを通して様々な企業を訪問してきたが、一般的な「会社見学」をして帰ってきたことは一度もない。

工場見学やOB・OG、技術者、経営者への取材を通して各社のおもろさの核を探るのはもちろんだが、時間の半分以上は「御社の採用上のウリはココで、こうアピールすれば理系学生に響く!」という熱弁をマネジメント層を相手にふるってきた。

名工大キャリアサポートオフィス長として、東海地方のニッチ市場と旬を押さえた採用のアドバイスをして帰ってくるのである。

ここに目をつけたのが岡崎商工会議所の市川さん。(後ほど詳しく紹介)

おもろい企業探索ツアーを公開取材とすることで、岡崎商工会議所の会員企業に理系採用・名工大生採用のヒントを得てもらおうという企画である。

岡崎商工会議所の会員企業に参加を募り、企画意図に賛同してくれた東海光学を取材対象とし、オーディエンスには大和化成工業、髙木化学研究所、槌屋ヤック、東レ・モノフィラメント、豊興工業、中村科学工業、ベルエアーシステムズの採用担当者にご参加いただいた。

 

商工会議所とは

さて、学生諸君はそもそも「商工会議所」がそもそも何をする団体か知っているだろうか?

本学学生のために説明すると、商工会議所は商工会議所法に従って地域の商工業界の振興のために運営され、傘下企業の経営に関するあらゆる支援、指導を行っている自由会員制の公益経済団体である。

簡単に言うと、地域に根ざして会員企業の発展を支援する「会社の応援団」。

岡崎商工会議所は全国に515団体ある商工会議所の中でも、16番目と比較的早期に開所された由緒ある商工会議所なのである。

岡崎商工会議所とのご縁

岡崎商工会議所は、採用コンサルタントによる定期的な採用支援セミナーを開催したり、「OKナビ」という岡崎地域を重点的にフォローした就活支援ナビも運営している。
これだけ熱の入った商工会議所は見たことないね。
そしてこの熱さの源が、岡崎商工会議所のブルドーザーこと攻めの美魔女、市川さんなんだ。

 

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岡崎商工会議所 会員サービス部 就職情報室 副室長 市川さん

市川さんとの出会いは4年ほど前にさかのぼる。

学内で様々な業界研究会を開催している名工大の噂をどこかで聞きつけた市川さんが、ブルドーザーの運転手こと上司の山本さんを連れて私を訪ねてきたことから始まる。

市川さん「先生、地域括りでいろいろと業界研究会やってますよね!? 岡崎括りでもやってください!」
私は何かヤな気配を感じながらも、市川さんの勢いに押されて聞くだけ聞いてみたのさ。
そしたら案の定、岡崎商工会議所傘下の中小企業ばかり。

山じい「まずもって岡崎という狭い地域で括る意味があるの? 三河括りならまだしも。その上、中小企業ばかりでしょ? なんでも括ればいいってもんじゃないよ。どうしてもやりたいのであれば、せめて岡崎にある大手企業、三菱自動車フタバ産業を加えてください」
そう言って私は突き返したのである。

三菱自動車フタバ産業は、そう、学生を集めるための客寄せパンダですわ。

そしたら市川さん、この2社の招致に猛進。
そして開催が決まり、「岡崎くくり業界研究会」は始まったのであった。

でも残念ながら、2年目までは集客が上手くいかず参加企業には大変申し訳ない結果となってしまった。三菱自動車はデータ改ざん事件とかもあったしなぁ…

それでも市川ブルドーザーは諦めないんだよね。
3年目になると岡崎市内に事業所を構える東レも参加してくれて、ようやく満足のいく集客ができるようになってきたんだ。

 

その余勢を駆っての今回の企画。
一度、商工会議所の会員企業を集めて、岡崎で採用担当者向けセミナーをやろうではないかと。

ま、いつも私が商工会議所向けにやっている「理系学生の採り方セミナー」を、少し岡崎の企業向けにモディファイして意識改革をしてもらおうと考えたわけだ

参加企業は東海光学をはじめとする中堅・中小企業7社。
そのうち、大きなところでは従業員500名規模、ほとんどは200名前後の中小企業で、名工大生とは縁のない企業も多い。
そんな軍団を引き連れて東海光学岡崎本社へと乗り込んだのであった。

 

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老舗レンズメーカー東海光学を訪問

東海光学は創業80年、メガネレンズメーカーの老舗である。

レンズ素材の合成(高分子重合)から、成型・研磨・コーティングそして検査出荷までを担い、提携メガネ店からのオーダーに応じてレンズを一貫製造する技術力の塊のような「The メーカー」。

にも関わらず、ここ9年間は名工大生を採用できていないとは!
そんな東海光学に喝を入れるべく(!?)、岡崎市北部の本社工場を訪ねた。
 

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実際に眼鏡も作った話は、次の記事で…

この取材を通して東海光学の技術力に惚れ込んだ私は無理言って、東海光学のレンズを使用した特製のメガネを製作してもらった。
この件については次の記事で書くことにする。

 

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東海光学株式会社 管理部 富田さん

東海光学のおもろさを取材後生解説

取材は東海光学の人事担当 富田さんの会社説明に始まり、続いてオーナー社長で三代目の古澤社長との対談。

衆目のもとでいつものように本音を聞き出すのは非常に難しかった。

 

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東海光学株式会社 代表取締役社長 古澤 宏和さん

その後、工場見学をしてから、名工大OGで9年目の鈴木さんと、技術系の旗頭で14年目のDr. メガネレンズ屋・獅野(ししの)さんとの対談を行った。

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二度の産休・育休を経て技術部で活躍している名工大OG 鈴木さん

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東海光学株式会社 開発部 獅野さん

取材を終えたあと、商工会議所のオーディエンスと東海光学の採用担当者を交えて「生解説&質問タイム」を取ったのよね。

力説したのは、この2つのポイント。

  1. メニコンと東海光学との違い
  2. 女性活用

東海光学のキャッチはここだと皆に振り返った。

 

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名工大OG鈴木さんが開発した製品を見せてもらった。手前半分には曇り止め加工がされており、奥半分は加工をしていないレンズ。いくら息を吹きかけてもレンズの手前側は全く白くならなかった。

ライバルはメニコン? 「アイケアを科学する」企業の売り出し方

取材中、私はしきりに「メニコンはなぜ学生に人気なのに、東海光学の魅力は学生に届かないのか? 違いは知名度だけである。眼鏡レンズ市場のポジショニングを変えるような商品展開・広報をしないと採用は上手くいかない」と主張した。

これに対してオーディエンスから「メニコンではなく、レンズメーカーのHOYAニコンと比較した方が分かりやすいのでは?」という指摘があったが、実はこれは学生の視点が分かっていない経営・営業サイドの意見である。

レンズメーカーに絞って就活している学生は非常に稀であることに気づいていない。

富田さんも「採用における競合(学生が入社を迷う他の企業)は近隣の医療機器メーカーのニデックや浜松ホトニクスです」と補足されていた。

そう、その通りで、HOYAを挙げるのは営業感覚なんだよね。
ではなぜ、富田さんはそこに気づいていながら採用が上手くいってないのか?

なぜなら、ニデックや浜松ホトニクスと競争しているからである。この2社はどちらも名工大からの採用には苦労している企業だから。
そこで競っても得るものは少ない。もっと上から攻めなきゃ!
という訳でメニコンなんです、という話を展開したのであった。
 

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B to B 製品の知名度UPは採用に効果大

メニコン名工大生にとってなかなか入りにくい企業である。

こういう医療系メーカーは、全国区の知名度がありながら会社規模があまり大きくなく、従って採用人数も多くない。
だから名工大生を重用する必要もないんだ。
ヘアカラーのホーユーとか、絆創膏のニチバンなんかもそうなんだよね。

では、なぜ東海光学は採用市場で人気がないか? ここがメガネレンズの辛いところ。

みんなメガネ買うときに、レンズのメーカーを気にするかい? 普通はフレームを選ぶとメガネ屋さんが勝手にレンズを選んでくれるだろう?

つまり、メガネレンズメーカーは完全なB to Bなんだよね。

その点、コンタクトレンズは「メニコン」とか「アキュビュー」というメーカー名や商品名で買わないかい? つまりはB to Cなのさ。

名工大生のメガネ率は相当高いのに、誰も東海光学のレンズを知らないだろ? そこなんだよ !

もっと宣伝してメガネ屋さんにアピールしてもらわなきゃダメだよ。
メガネにとって真に大事なのはフレームではなく、レンズでしょ!

 

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女性が活躍できる! TOKAIの先進的取り組み

そしてもう一つのポイントは、「女性活用」ですな。
中堅企業でありながら東海光学の女性活用の斬新さは、メディアで紹介されるほど進んでいるんだ。
私もテレビ東京系列のワールドビジネスサテライトで見たことあるもの。

東海光学には【女子開】という女性だけの開発チームがあって、技術者、営業、そして広報・総務の女性がワンチームとなり商品企画などに取り組んでいる。

パーソナルカラー理論とレンズの染色技術を応用した、女性の顔が美しく見えるレンズを「肌美人」を発売し、売れているんだ。

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各人の肌色に合ったメガネレンズのカラー・コーディネートをするシステムなんだって。
女性ならではの感性が生み出した製品だね。

コンタクトみたいな目に入れて見えなくなるものじゃなく、顔の一部となるメガネのカラー・コーディネートだよ。
こんなことのできる会社なんだよ、東海光学は。女性社員比率4割超えが成せる業だよね。

テレビ番組に取り上げられている件も営業的にはイケてるんだけど、どうしてこの話題を採用の目玉にしないのかしら? もったいない!
こういうセンスを採用にもっと取り入れなきゃいかん。

とかく会社は営業には必死になるけど、どうしても採用は疎かになりがちなんだよね。

でもでも社長! 人材こそは会社の宝ですぞ! 良い学生採りましょうよ!

 

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中小企業のトップはもっと学生と接触

最後にオーディエンスから核心を突いた質問があった。
「学生が考えていることがつかめない、つかめさえすれば攻め込む自信はあるんだが。」

そう! そこが一番の問題点なんですよ。

経営者も技術者も、「自分たちは頑張っているし、中小なりに誇れる仕事はしているんだ。世界トップシェアも持っている…」

それをどうやって学生目線に卸すかが、一番大事なポイントなのに、どうやって学生に伝えたらいいかが皆さん分からないんだよね。

そのためには「学生との接点を増やす」こと。
社長さんはデンと構えているばかりではいけません。
採用の現場にどんどん出ましょうよ。そこで「俺と一緒に働こう!」と言えるかどうかだと思うよ。
世の中の社長さんよ、そして人事さん。うちの徒労会を見習いましょう。
RナビやらMナビに任せてりゃいい時代じゃありませんぞ。自分たちで考えて汗流して学生と接触する機会を作りましょう。
長期・短期のインターンシップも大事。考えてたって仕方ないから行動あるのみ。

トップダウンインターンやってる企業は強いよ。すぐには良い結果は出ないかもしれないけど、やらなきゃ学生の気持ちなんか読めないし、採用にも繋がらない。

だからこそトップダウンが必要なんだよ。分かってもらえましたかね!?

 

執筆 山じい 

編集・写真 つかっちゃん

 

 

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岡崎商工会議所

明治25年(1892年)、愛知県内では名古屋の次に開所された歴史のある商工会議所。ものづくり産業の盛んな岡崎の地で、企業の発展と地域振興に取り組む地域総合経済団体。「岡崎エリアで働きたい」を応援するナビサイトOK NAVIを運営したり、名工大での学内セミナーを実施するなど就職支援・採用支援の分野でも精力的に活動している。

 

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東海光学株式会社

昭和14年(1939年)に創業した眼鏡レンズの専門メーカー。愛知県岡崎市に本社を構え、グローバルな事業展開で世界60カ国以上の取引実績を持つ。社員の1割が技術者という体制で最新レンズの開発に取り組んでおり、脳科学技術を用いて装用感を数値化したベルーナシリーズや、 黄斑部を紫外線から保護して加齢黄斑変性を予防するルティーナシリーズなど独自性の高い製品を市場に提案し続けている。

 

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