山じい完全ウォッチング

名工大生の就活に必要な情報を発信中。名古屋工業大学キャリアサポートオフィス長 山下教授に完全密着。Presented by welcomes inc

業界の常識を塗り直すチャレンジと前島社長の野望|おもろい企業 筒井工業(後編)

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『おもろい企業探索ツアー』第7回は筒井工業株式会社
このシリーズは名古屋工業大学に縁のある企業を訪問して社長や役員、名工大卒業生に話を聞き、山じいの視点からその魅力に迫るという企画です。では後編をどうぞ(前編はこちら)。
 

筒井工業は粉体塗装のパイオニアとしておもろいのだが、やはりこの会社の一番のおもろさは前島社長そのもの。
前島社長は名古屋工業大学応用化学科で無機錯体化学の研究室(山じい研究室の隣!)を1994年卒業。
13歳年下の彼が研究室に通っていた当時、山じいはアメリカに留学しており大学では顔を合わせていなかったようだ。

 

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創業者 筒井万司氏も名工大OB

前島社長の話をする前に筒井工業の歴史を紐解いてみよう。
筒井工業を立ち上げた筒井万司氏も前島社長と同じく名工大出身で、本学窯業科(現 生命応用化学科・環境セラミックプログラム)を卒業した後、叔父が経営する練炭火鉢の会社に就職。
しかし、折から勃興してきた石油ストーブに押されて会社が倒産。
そこで昭和38年、万司氏は火鉢の上塗り技術を用いて塗装屋(それこそ街のペンキ屋)を始めた。
塗装職人の力量に頼らざるを得ない状況に限界を感じる中、他社との差別化を図るために着手した粉体塗装を昭和43年に国内で初めて実用化。
そこから事業を順調に拡大し、粉体塗装専業の会社として成長した。

2代目社長は経営コンサルタント

創業30年を機に外部から経営コンサルタントを招いて2代目社長に迎え、会社の体系を確固たるものにした。
その折は就職氷河期で中小企業が新卒を採用しやすい時代で、今の役員はその時期に入社している。
前島社長もその一人だ。
その後は拡大路線を取り、従業員数は今の倍を超える100名規模まで行ったそうだが、バブルが弾けて…よくある話で…
ただ一度もリストラをすることはなく、徐々に規模を縮小。

 

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今の主力製品を世に出した3代目社長

3代目は会社のメインバンクからの出向者だった。
まず経営改善に着手し木材の塗装から手を引いた後、平成15年に立ち上げたエポキシ鉄筋事業が順調に伸びて平成23年頃には財務基盤が確固たるものになり今の規模に落ち着いた。さすが元バンカーだね。
エポキシ鉄筋とは鉄筋コンクリートの芯。これの錆びにくさが鉄筋コンクリートの寿命や強度に大きく影響する。
前島社長は課長だった当時、この事業の立ち上げに大きく貢献したそうだよ。

 

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創業者が手塩にかけた4代目前島社長

筒井工業は塗装の前処理をとても大事にして、塗装を科学することを信条にしている。
だから創業者は名工大OBを技術屋に育ててどうしても技術屋社長を作りたかった。
それで若き日の前島社長に白羽の矢を立てたんだ。
もちろん名工大OBであれば誰でも良いわけではなく、努力好きの跳ねっ返り野郎な前島さんが良かったそうだよ(社長談)。

3代目が12年目を向かえた当時、創業者から要請があり前島さんは専務に就任し経営参画。
その4年後創業者が逝去すると同時に前島さんは4代目社長に抜擢された。
創業55年目に創業者 筒井万司氏の想いと創業家の後押しを得て、名工大OBの前島社長が誕生した。

 

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なぜ名工大生採用にこだわるのか?

前島社長にちょっと失礼だとは思いながら、こんなことを聞いてみた。

山じい「御社の規模感では名工大生の採用は難しいと思いますが、どうしてこんなに力を入れて名工大生の採用に取り組まれているんですか?」

なんと失礼な質問だよね。すんません前島社長。

前島社長「今後20年は自分が会社を引っ張っていくつもりです。今、会社の中核になれるような骨太の名工大生を採用して粉体塗装のスペシャリストに育て上げるとともに、私の直近に置いて経営者としても成長させ、ゆくゆくは会社を引っ張って行けるような存在、あわよくば次の社長になれるような名工大生に出会いたい。難しいことはよくわかっています。でもやはり名工大生にこだわりたい。」

創業者が名工大OBで、この会社の将来を託された前島社長も名工大OB。
尾張名古屋は城でもつ、粉体塗装の筒井工業は名工大OBでもつ!!にしたいんだな。
他の大学出身者には申し訳ないけど…どう、名工大生よ!!筒井工業をNextStageへ押し上げようではないか!?
まあ、名工大生でありゃ良いってもんじゃないんだけどね。

 

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塗装業界のブラックボックス 悪いのは塗装か?設置環境か?

前島社長に中長期ビジョンを聞いてみると、筒井工業をお助けスーパーマン、塗装に困ったお客様の駆け込み寺にしたいとのことだった。

塗装屋の取引先は金属加工業者。
金属加工業者は金属加工のプロフェッショナルだけど、塗装に関しては素人だから塗装屋に頼まざるを得ない。

しかし、塗装屋は塗ることに特化したプロ。
綺麗に塗ることにはこだわるが、その躯体がどう作られていてどう使われていくかという力学的なことには全く知識が無く「綺麗に塗れてるでしょ!後はあなた方のお仕事です!」というスタンスの業者が多いそうだ。
要は人の所為にするわけですよ。

そんな業界の構造を分かった上で、前島社長は「お客様(金属加工業者)の立場になれる、金属加工の相談にも乗れる塗装屋」を目指してるんだ。

 

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前島社長は始終穏やかにお話をされていました。

お客様の立場になれる塗装屋を目指す

相談に乗れる塗装屋になるためには、お客様としっかりコミュニケーションを取らなければならない。
さらに社内の技術屋同士のコミュニケーションも重要になる。
その為には社員が人として成長できる組織が必要で、それを作ることこそが使命だと前島社長は考えている。
これは先代の経営コンサルや元バンカーには発想できないことなんじゃないかな。
技術屋上がりの社長だからこそ考えられるんだと思うよ。 

そうやって作り上げた組織の中で社員が人として技術屋として成長した暁にはこの会社を規模・内容共に拡張させて筒井工業をネクストステージへ押し上げる、これが前島社長の長期ビジョン。
その中核を母校の技術屋に託したいんだ。
分かる気がするわ。名工大生は十分その器にあると思うもの。
アハハ…山じいもやはり名工大OBな訳なのさ。
だから難しいことは分かっていても今名工大生の採用に舵を切ったんだよ。

どう、そこの名工大生!特に知多出身の名工大生!!挑戦してみないかい!
こんな熱い社長の元で自分磨きをやってみないかい?

 

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大手電池メーカーから転職で地元にUターンした開発部長 黒野さん

さて、筒井工業を引っ張っているのはもちろんこの熱い前島社長だけではない。
しっかりと脇役が周りを固めている。

今回はその中でも研究と製造現場の部長さんの想いを紹介しよう。

まずは、開発部長で役員でもある黒野さんである。
黒野さんは西尾出身で、静岡大学大学院を修了後電池メーカーの大手 GSユアサに入社し開発畑を進んだ。
勤務地などを理由(大手だとあちこち転勤がある。GSユアサも生産拠点を中国に移そうとしていた)に地元の筒井工業へ転職。
大手メーカーでの開発における経験値を買われて筒井工業の研究開発を引っ張るに至ったそうだ。

黒野さんが自慢する筒井工業の技術の核は「お客様の要求を精査して製品の素材や、使用環境なども十分に考慮した塗膜性能検証能力」で、つまりお客様の製品に塗った塗膜が、その製品が使われる環境でどれだけ「もつ」のかを検証できる能力なんだって。

これがそう簡単な技術ではない。
社長の目指す「お客様のお助けスーパーマン」になるために技術面からの裏付けが必要なんだ。


ただ綺麗に塗れればいいというのではなく、末永くその製品を塗膜で綺麗に覆うことを保証できるのが筒井工業なんだよ。

黒野部長名工大生には君たちが日々研究室で先生から指導を受けている、研究テーマに対する取り組み方をこの会社で発揮してもらい、お客様のニーズに寄り添った塗装を科学することに粘り強く取り組んで欲しい。」

山じいも名工大生ならばそれができると思うよ!! 

 

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組織改革に全力で取り組む生え抜き 沢田製造部長

さてもう一方は現場の大番頭、製造部長の沢田さんだ。
沢田さんは大学で情報システムを学び、新卒で筒井工業に入社したプロパー。
半田出身で、やはり地元の企業に就職したいということで筒井工業に決めたそうだ。
やはり中堅中小を選ぶ基準って地元っていうのが多いね…そりゃそうだよね、沢山ある中から選ぶ理由って、そこ大事だよね。
働くって生活するってことだもんね。
働くために生きるのか?生きるために働くのか?だよな…皆もよく考えようぜ。
地元志向が一概にショボいわけじゃない。

現場の大将である沢田部長に現場の雰囲気を聞いた。
氷河期に入社した大卒の現管理職と、生産現場の主力である高卒を中心とした社員の間に世代間ギャップがあり、うまくコミュニケーションができていないと少し前までは感じていたそうだ。
その対策の一つが先日実行した内部からの昇進だ。


この春に7名の若手社員が昇進して役職が付き、責任感を持って仕事に取り組める仕組みが出来つつあるそうだ。

これからは理系大卒の総合職も採用することでその溝を埋めていこうと考えている。

部署間の横の連携もまだ不十分で、そういった社内の横断型の仕事をこなせる人材を見つけていきたいということだ。
沢田部長「従業員数45名のまだまだ小さな会社だけど、我々はプライドを持って仕事に取り組んでいます。こんなプライドの塊の会社で自分自身の努力の結果が分かりやすい環境に身を投じてみないかい?それも一つのキャリア選択だと思うよ。」

確かにちょっと勇気は要るけど、自分を成長させるのには良い会社ではないかと感じ入って半田を後にしたのであった。
地元志向の研究好きには良いんじゃないか?
なにせ47歳の名工大OB社長です。色々と君たちの相談に乗ってくれると思うよ。
何かあったら前島社長へ連絡してみよう。
名工大生のためのインターンも考えてくれるみたいだよ。

半田や常滑、西尾の連中どうだい?

山じい

 

名工大生限定マンツーマン1DAYインターンシップのお知らせ

前島社長が自ら筒井工業を案内してくれるインターンシップです。
日程は調整が可能。先輩がどのように働いているのか気軽に見学させてもらおう。

日 程 平日の希望日程で調整します。(年末年始を除く)
時 間 10:00〜16:30
会 場 筒井工業株式会社(最寄りの亀崎駅は金山よりJRで30分)
人 数 1日1名限定(5名まで)
対 象 名古屋工業大学 全学年・全専攻
報 酬 昼食をご用意します。(交通費自己負担)
申 込 y-maejima@tsutsuik.co.jp  or  090-5005-5112(代表取締役社長 前島)
    メールは 1.お名前 2.学年学部学科専攻 3.電話番号 4.希望日を記載のこと
内 容 1.会社説明・工場見学・塗装体験
    2.社長講話「OBだから分かる!社会で名工大生に求められる能力とは」
    3.社長の1日に密着!
       工場巡回と来客対応を通して社長の目線を学ぼう
    4.先輩社員との交流会
       技術部・製造部の管理職による本音トーク

\こんな方にオススメ/
●中小企業に興味がある
●開発担当から叩き上げで社長になった前島さんに興味がある
●創業者・現社長も名工大OBである筒井工業に興味がある
●地元で就職したい

 

少しでも興味が湧いたキミは前島社長にメールしてみよう。

筒井工業株式会社
代表取締役社長 前島靖浩
MAIL y-maejima@tsutsuik.co.jp
TEL 0569-28-4225
〒475-0021 愛知県半田市州の崎町2-112  

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筒井工業株式会社
名古屋工業大学 窯業工学科出身の筒井万司によって1963年に設立された塗装施工会社。粉体塗装の実用化に国内で初めて成功したパイオニア。環境や材料の条件と経年劣化が塗装の品質基準を不明確にし、塗装の責任を全うすることは難しいとされる中で塗装前の下処理と顧客ニーズを把握し的確に施工できるプロフェッショナル集団。塗装に困っているお客さんからの受注が絶えず、営業部が無いにも関わらず事業を拡大中。

 

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