山じい完全ウォッチング

名工大生の就活に必要な情報を発信中。名古屋工業大学キャリアサポートオフィス長 山下教授に完全密着。Presented by welcomes inc

塗装を科学する〜名古屋工業大学OBが社長を務める技能集団|おもろい企業 筒井工業(前編)

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『おもろい企業探索ツアー』第7回は筒井工業株式会社

このシリーズは名古屋工業大学に縁のある企業を訪問して社長や役員、名工大卒業生に話を聞き、山じいの視点からその魅力に迫るという企画です。では前編をどうぞ。


多忙を極める初夏の山じいをさらに苦しめた取材

6月某日、過密な講義スケジュールの間を縫って名古屋工業大学卒業生の前島さんが代表を務める筒井工業にお邪魔してきた。

今まで様々な苦難を乗り越え各社のおもろいポイントを発掘してきたが、今回の苦悩はその取材前夜、予習のために筒井工業のホームページを開いたところからすでに始まっていた。

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5月~6月の山じいは一年で一番忙しい。

2020の就活支援は既に静まり返っているものの、2021向けインターンシップの合説が目白押し。
5月中旬からの1ヶ月間で12回ものインターンシップ合同説明会と個別会社説明会を学内開催した。

加えて3年前から始まった本学キャリア系正課授業フレッシュマンセミナー(学部1年前期全学科必修)の授業も2週分あった。(たかが2週分と言えどもあなた、全学科必修なのよ。1週目7コマ、2週目6コマの授業をこなす。)

さらにそれに加えて専門分野の科目が4コマ(山じいはこれでも工学部の教授なのだ!)とゼミが2コマ、もちろん会議もある…。

死んじまうわ!!

そんな怒涛の悪魔的な週間が過ぎ去った後に控えていたのがこの筒井工業の取材であった。

取材前日の夜になり、流石に予習しておかなくっちゃ…とヘロヘロに疲れた体に鞭打って筒井工業のホームページを初めて開いた。そしてビックリ!!

 

「ぎゃぁ!!筒井工業って塗装施工業者さんだったの!?」

 

と夜中の研究室で一人悲鳴を上げたのだ。すぐさまつかっちゃんにLINEで「あかんてぇー!!」を速達した。

従業員数45名の中小施工業者さん、いや街のペンキ屋さん名工大生にどうやって売り出すんだ!!

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筒井工業株式会社 取締役社長 前島靖浩氏/名古屋工業大学応用化学科 1994年卒業

名工大卒業生・前島社長とのご縁

社長の前島さんは山じいの在籍する名古屋工業大学応用化学科無機化学分野(永長研・現在の小澤研)出身で、山じいの高分子化学の授業は受講していたはず(お互い記憶なし)。
前島社長は1年程前より本学研究協力会主催の採用セミナーに参加されていて、何度か立ち話ではあるがお話をしたことのある間柄であったので、取材をお願いされた時には快くお受けした。

その時はまだ粉体塗料を扱う会社ぐらいの認識であった。

毎回取材先の事前勉強をするたびに「今回こそあかんてぇ~!おもろない。」と弱音を吐いてきたが、取材すると各社しっかり魅力があり本学学生に紹介できるおもろいポイントを見つけられた。

しかし、今度こそ流石に山じい絶体絶命である!!

メーカーならば少々小さい会社でもキラリと光る技術力があるが、筒井工業は従業員数45名、年商6億円の塗装施工業社。
今までの取材先は最少でも250名、最低でも年商数百億円はあった。

普通に言えば街の大きなペンキ屋さんなんだよ。

毎度の事とはいえ今度こそ確実に事故物件だよ(失礼!)。こうなったら前島社長にフォーカスして名工大OB社長の解体新書って感じでインタビューに臨もうと決心した山じいであった。

 

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何がなんでも名工大生を採用したい?どうやらただのペンキ屋ではないようだ

気持ちを切り替えた後、筒井工業のHPをじっくりと読んで勉強してみたのだ。
すると、あれぇあれぇ~~?

街のペンキ屋さんにしては説明が詳しい。詳しすぎる。皆も一度見て欲しい。 

筒井工業のウリである粉体塗装は確かにちょっと珍しい手法で、これを国内で初めて施工し始めたのが筒井工業なんだ。

その粉体塗装について、何がどうなのよっていう技術的な説明が異様に詳しいんだわ。

 

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https://tsutsuik.co.jp/ より

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スプレー塗装では塗りにくい縁裏まで塗料が行き渡る。https://tsutsuik.co.jp/ より

 

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https://tsutsuik.co.jp/ より

 

剥離と責任 https://tsutsuik.co.jp/concept/tosou/
剥離の防止 https://tsutsuik.co.jp/concept/needs/
耐久性 https://tsutsuik.co.jp/concept/welding/

普通街のペンキ屋さんだったら何処に塗装したとか、何件受注したとか、お客様の満足度とかそんな営業話がメインになる筈が…ちょこっと変ですぜ、このペンキ屋さん。

社長が名工大卒だから?技術部長が静大工学部の院卒だから?

それにHPの目立つところに張り付けてある社長のブログにはなんと毎週、ウンチクを垂れてるんだよな。

まだ47歳と若いのにウンチクを!!それだけこの社長の思いが強いんだね。


中小企業の社長が名工大卒であることはあっても、(家業を継ぐのは珍しくないし、かく言う山じいも大学卒業後は四日市でガソリンスタンドを継ぐ予定だった!)街のペンキ屋が名工大生を採用しようなんて考えないよね普通。

でも前島社長は違う。名工大生が欲しいんだと足繁く名工大に通われている。やはりこれは何かある!!

半田市のちょっと変わったペンキ屋さん、筒井工業を紐解いてみよう。

 

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環境に優しい・短時間施工・高耐食が叶う粉体塗装

筒井工業は昭和38年に創業者である筒井さんが碧南で始められた、それこそ本当に街のペンキ屋さんだった。
そのペンキ屋さんが、よそと一緒のことをやっているのではのし上がれないと、昭和30年代後半にフランスで開発された静電粉体スプレー法をいち早く昭和43年に日本に取り入れた。
筒井工業は日本の粉体塗装のパイオニア的存在なんだ。

筒井工業はオーナー企業で、前島社長は4代目のサラリーマン社長。オーナー家に全幅の信頼を寄せられて会社を引っ張る2年目の経営者である。

みんな、粉体塗装って分かるかい??ペンキ屋さんって、バケツに入ったペンキを刷毛でペタペタ塗っているイメージだよね。
塗装は通常、有機溶剤に溶かした塗料を躯体に塗って有機溶剤(主にシンナー)が蒸発するのを待って完成する。
そのシンナーは環境中に放出されて環境破壊に繋がるんだ。

その代替品として水溶性塗料があるんだけど、やはり水に溶ける塗料は施工工程が難しいし、水は揮発しにくいから塗装溶剤には不向き。そして雨にも弱そうじゃん。
そこで出てきたのが粉体塗装なんだ。

 

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筒井工業は道路標識や看板のスタンドなど簡単に錆びては困るモノの施工を請け負っている。こんな大きなものが入る浴槽と釜があるんだ。

粉体塗装とは静電気を帯びた塗料をスプレー方式で噴霧、電圧を掛けた躯体に付着させる。
その後躯体を加熱して塗料を溶融させることで硬化させ固着させる塗装方法だ。
詳細は筒井工業のHPを見てくれ。社長が懇切丁寧に説明してくれている。

溶剤を使わないから環境に優しい。
こぼれた塗料の粉も集塵機で簡単に回収して再利用できるし、加熱硬化させるので短時間で施工できる。
何より溶剤塗装よりも分厚く塗料を載せられるから非常に強い塗膜になる。

無論、欠点はこの施工システムからして分かるように、屋外での完成物への施工は不可能で、躯体の素材も電気の通る、スチール系がメインとなってしまうこと。

でも筒井工業では全長13m・全重3tまでの巨大な躯体に塗布することが可能。だから工場内はペンキ屋って雰囲気ではなく完全に製造メーカーのようだった。

何本もの塗装ラインが並び、大型クレーンもあれば躯体を洗ったりエッチングしたりする大きな浴槽もあるんだ。
これは工学部出身者が要るわ!!って、工場見学をして納得した山じいでした。

 

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同じ塗料でも前処理の違いで耐食性の差が出たわかりやすい事例。奥の支柱が筒井工業の塗装品。手前の孔が空いたパネルは他社塗装品で塗膜が剥がれ母材の鉄が錆びている。良い塗装は時間が証明してくれる。

塗装業界の常識を塗りなおす!筒井工業は「塗装を科学する」

ここまででだいぶ分かったと思うけど、筒井工業は壁のペンキ塗りをする街のペンキ屋さんではなく、モノづくりメーカーの製造ラインの最終段階にある塗装部分をスペシャリストとして請け負う企業なんだ。

筒井工業のキャッチは塗装を科学する。

この技能集団曰く、粉体塗装で大事なのは塗り方よりも躯体の前処理なんだって。
なんでもそうなんだけど、きちんと準備して掛からないとダメ。
特にこの筒井工業は顧客のニーズをしっかりと拾い出した上で前処理を行うことを大事にしている。
そうするといつまでも剥げない頑強な塗装になる。 

でもね、これ塗装の発注元にとってみるとおいしくない話なのよね。
だってさ、塗装がある程度で剥げてくればまた塗り直しを提案できるじゃない?
定期的に儲かるって仕組みだよ。でもそんなセコいことはこの筒井工業は考えない。
そんなことは筒井工業の面子が許さないらしい。そーんな、技術屋集団がこの筒井工業なんだよ。

さて後半はお待ちかね、名工大OB、前島社長の解体新書を乞うご期待です。

山じい

後編はこちら

blog.nityamakei.com

 

名工大生限定マンツーマン1DAYインターンシップのお知らせ

前島社長が自ら筒井工業を案内してくれるインターンシップです。
日程は調整が可能。先輩がどのように働いているのか気軽に見学させてもらおう。

日 程 平日の希望日程で調整します。(年末年始を除く)
時 間 10:00〜16:30
会 場 筒井工業株式会社(最寄りの亀崎駅は金山よりJRで30分)
人 数 1日1名限定(5名まで)
対 象 名古屋工業大学 全学年・全専攻
報 酬 昼食をご用意します。(交通費自己負担)
申 込 y-maejima@tsutsuik.co.jp  or  090-5005-5112(代表取締役社長 前島)
    メールは 1.お名前 2.学年学部学科専攻 3.電話番号 4.希望日を記載のこと
内 容 1.会社説明・工場見学・塗装体験
    2.社長講話「OBだから分かる!社会で名工大生に求められる能力とは」
    3.社長の1日に密着!
       工場巡回と来客対応を通して社長の目線を学ぼう
    4.先輩社員との交流会
       技術部・製造部の管理職による本音トーク

\こんな方にオススメ/
●中小企業に興味がある
●開発担当から叩き上げで社長になった前島さんに興味がある
●創業者・現社長も名工大OBである筒井工業に興味がある
●地元で就職したい

 

少しでも興味が湧いたキミは前島社長にメールしてみよう。

筒井工業株式会社
代表取締役社長 前島靖浩
MAIL y-maejima@tsutsuik.co.jp
TEL 0569-28-4225
〒475-0021 愛知県半田市州の崎町2-112  

 

 

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筒井工業株式会社
名古屋工業大学 窯業工学科出身の筒井万司によって1963年に設立された塗装施工会社。粉体塗装の実用化に国内で初めて成功したパイオニア。環境や材料の条件と経年劣化が塗装の品質基準を不明確にし、塗装の責任を全うすることは難しいとされる中で塗装前の下処理と顧客ニーズを把握し的確に施工できるプロフェッショナル集団。塗装に困っているお客さんからの受注が絶えず、営業部が無いにも関わらず事業を拡大中。

 

“rinnai21”

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“中設エンジ16”

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“東和耐火工業”

“ヨシタケ”

“足立ライト工業所”

“筒井工業”

“名張製作所”

“関ヶ原製作所”

“槌屋”

“日東工業”

“豊田自動織機ITソリューションズ”