新シリーズ『おもろい企業探索ツアー』第一回は株式会社ISOWA。このシリーズは名工大に縁のある企業を訪問して社長や名工大卒業生に話を聞き、その魅力に迫ろうという企画です。君たちの視野を少しでも広げられたら良いなという山じいの常なる願いをカタチに。では前半記事をどうぞ。
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山じいです。8月上旬の酷暑の日に、以前より気になっていた株式会社ISOWAさんに伺って来ました。
まず、うちの学生はほとんど誰も知らないんじゃないかなあ?
皆、ISOWAさんって何してる会社さんか知ってるかい?春日井にあるあの段ボールを作る機械を作っている全社員数300名足らずのB to Bを絵に描いたようなオーナー企業さんで、「自分と自分の愛する家族の幸せのために働ける世界一社風のいい会社を目指す」を経営理念として掲げています。
取材したくなった理由
なんで、そんなISOWAさんが山じいの新企画の第一号なのか?
先ずは何と言ってもオーナー社長である磯輪さんのキャラクター。
私が初めて磯輪社長にお会いしたのは、たった半年前。今とは真逆な極寒の名工大ででした。
それまではホント全く意識していない企業さんで、名工大OBのリクルーターさんから、一度お会いしたいとアポイントが入り、なんとその席に20代のOBさんに混じって、社長が来訪されたのです。
なんちゅう会社だと・・・ま、でも、お話をさせて頂いている間に、あ、この人山じいと同じ匂いのする人だと・・・。
そこで、調子に乗って、「ISOWAさんクラスの規模感の会社さんが本学の企業研究セミナーで集客するには、社長さんに出張って頂かないと難しいですよ!」と注文を付けました。
でもそんな私の無理難題に、この社長は気軽に応じられこの三月の企業研究セミナーでは、『私が社長です!』なるタスキをかけてお越しいただいたのです。(@_@;)
フランク・カジュアル・人だかり
更に面白かったのは『280名の会社から何人来てんねん!?』ってぐらいの人数で来ていて、しかもこのB to Bの化身の様な会社の全員がカジュアルな服装(勿論社長さんも)。
400社が集まる、本学企業研究セミナーで、カジュアル姿の人事さんって、外資のBOSCHさんか、ゲームのエイチームさんぐらいで、ホントびっくりでした。
このスーツ嫌いの山じいですらスーツ着てるのにですよ。
更なる驚きは、この会社のブースにうちの学生が沢山座っているのです。なんと一日で46名集客。
「えっ!!名工大生よ、大丈夫か!?君らは段ボール造りたいんか??」っと思わず心の内で叫んでしまったのです。(ごめんなさい社長!)
「何か持ってるなあ・・このISOWAさんは」人事さんがカジュアルで社長さんが客引きしようが、全社員数300名弱のB to Bの権化のような会社で、しかも作っているのは航空機の部品ではなく、段ボール製造マシンなのだよ。
そんな会社に学生が集まっている・・・「こら調べてみなあかん!!」っという流れで、ISOWAさんが「おもろい企業探索ツアー」の栄えある第一号企業になったのでした。
ちょっと見学のつもりが大歓迎を受け、ここにISOWAの良さを見た
14時に春日井の田んぼの真ん中にある本社にお邪魔し、社長、次期社長(光くん、ここからはボン)をはじめとしたお歴々とうちのOB・OG諸氏のお出迎えを受け、先ずは材料出身のOGである榊原さんからの会社紹介。
榊原さん:ダンボール製造機械を作っているISOWAのお客さんはダンボールを販売している会社です。ダンボールはかさばるので、それ自体を運ぶ輸送費を抑えるため、消費地近くで生産することが必須です。あらゆるものの輸送に不可欠な資材で、絶えず、ジャストインタイムで供給できないと、世界の物流が止まってしまうので、私たちは『ISOWAが止まれば 世界が止まる』という使命感を持って仕事に取り組んでいます。
会社説明と言ってもほとんどが、「何故私はこの会社を選んだのか!」「この会社でどうやって働いているのか!」である意味、この会社の面白い所が、そして社長が言う大事なところが見え隠れするプレゼンでした。
その後は本社のメイン工場を社長の案内で見学。
ここでまたびっくり・・。なんと工場で働く本学OB諸氏が勢ぞろいで、通路に並びお出迎え、そして挨拶してくれました。
ここでは、OB代表の機械出身の児玉君と、情報出身の宮下君のコンビが、段ボール箱製造機(製函機 せいかんき)アイビスの設計・製造秘話を実機を前にして、熱く説明してくれたのでした。
児玉さん:「故障しない安定した給紙ユニット」の開発を求められる中で、せっかく新しく作るなら何か価値のある物を作りたいと思いました。競合他社が失敗したことのある方法でしたが、チャレンジした結果今まで出来なかった速度の柔軟な制御が可能になり生産効率を飛躍的に上げられました。完成した時の感動は今でも忘れられないですね。自分のアイディアに最初から最後まで関わって形にできるのはISOWAの大きな魅力です。
若い自分たちが自らアイデアを出して、一台数億円する機械製造に携わる楽しさとやり甲斐を聞かせてもらった。
児玉君、最初はそんなに機械が大好きってわけでもなく、大手に行くと歯車のひとつにされちゃうんじゃないかなって思い、地元企業であるISOWAさんを選んだそうです。
就活イベントで社長が楽しそうに会社の説明する中で、すごく家族のことを大事に語っていた姿に惹かれ、自分も家族の幸せのために働けるこの会社を選んだそうです。
今でも院に進学して大手に就職した名工大の同期とよく飲むのだが、彼らの方が幸せそうに見えることは全くないそうでISOWAライフを満喫しているようでした。
宮下さん:電気設計の仕事は、お客様の要望を元に協力会社にソフトを作ってもらうのが通常ですが、納品後の変更に柔軟に対応したいので私は自ら作っています。細やかなサポートができるのは中小企業の大きな強みです。 児玉さんと開発した給紙ユニットの「2up方式」では機械に負荷を掛けずに効率だけ向上させることに成功しました。この発明はISOWAが掲げている「人にやさしくキカイにやさしい」という考え方そのものだと思います。
相棒である後輩の宮下君は、バリバリ情報のネットワーク分野修了にも拘らず・・・いやネットワークだからこそか?就活のポイントは社員同士の対話の雰囲気や協力して仕事に臨む姿勢や社風を大事にしたそう。だからこそ、協力し合う輪の中で活躍できるように、自分のスキルを磨く意味でも極力自分の手で"ものづくり"することを心掛けているそうだ。
この二人のコンビで、業界の製凾機分野に新風を起こしたんだそうだ。
若い二人が試行錯誤して製品を作りあげていく、そんな雰囲気が社長が目指している「THE ISOWA」なんだろうと思う。
山じい