山じい完全ウォッチング

名工大生の就活に必要な情報を発信中。名古屋工業大学キャリアサポートオフィス長 山下教授に完全密着。Presented by welcomes inc

開発もできる商社の提案力は最強無敵|おもろい企業探索ツアー 株式会社槌屋(前編)

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『おもろい企業探索ツアー』第4回は株式会社槌屋

このシリーズは名古屋工業大学に縁のある企業を訪問して社長や役員、名工大卒業生に話を聞き、山じいの視点からその魅力に迫るという企画です。では前編をどうぞ。

 

欲しいもの探してきます、無いなら作ります!最強の三位一体

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 今回は知立にあるオモロイ企業『槌屋』さんです。

みんな、知ってますか槌屋??知らないでしょう!!

上場はしていないけれど今回も売上1000億超、従業員数連結で3700名の大企業だよ。

何をやっている会社かというと・・・これがユニーク。

もともと塗料の商社として70年ほど前に起業し、その後モノづくりにも手を伸ばした俗にいうメーカー機能を持った商社なのだが、普通の商社とは随分と様相が違う。

どちらかというと商社機能も持っているしっかりとした大手メーカーなのだ。

で、作っているものと言ったら…自動車関連のシール、家電に使われるブラシ、食品検査装置と多種多様に展開している。

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槌屋の製品は多種多様で説明しきれない!

もう一つの特徴は、槌屋本体には商社機能と研究開発センター(Research & development center、以下R&D)しかなく、製造はグループ会社(国内7社、海外10社)に任せる形で、開発と製造、商社が三位一体となってモノづくりをしている。

こんな会社今まであまり見たことがないし、勉強すればするほどビックリな会社。

今回はこの三位一体型の企業形態がどのように名工大生にとっておもろいのか、ゆっくりとひも解いていく。

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槌屋と山じいのご縁

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左から常務執行役員林工学博士、高田総務部長

山じいは名工大の日本人学生だけでなく、留学生のキャリア支援もやっている。

槌屋にはアジア人財育成プログラムの留学生のインターンシップを受け入れてもらっており、インターン参加中の学生の激励をするために訪れたのが最初だった。

留学生の中間報告を聞いた後、ショールーム名工大OBの林さんと高田部長から製品の紹介を聞かせてもらったのをよく覚えている。

でも、あの時は槌屋が商社であることは全く知らず、自動車に貼るシールのメーカだと思っていたんだ。

そこから学内ガイダンスで何度かお会いし色んな意見を交わせる関係になった。

後から、林さんは山じいの隣の研究室出身で同じ高分子の研究をしていたと聞いてびっくり仰天。

にっこり微笑みながらショールームで製品の説明をしてくれたあの方が槌屋の技術者トップで、執行役員だったんだもの・・さらにビックリ。

 

 

山じい研究室のOBもお世話になってます

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本格的にお付き合いが始まったのは、うちの研究室のOBで2018卒の2部生 中嶋君の就職を高田さんにお願いしたところから。

忘れもしません・・2017年の院試験で、中嶋君落ちちゃったのよね。

2部生はやはり厳しいところがあります。

でも、奴が偉かったのはその後のスピード!!

直ぐに動き出し、大学が用意した企業研究セミナーvol.3 院試験落ち対策用セミナーに出展していた槌屋の事業内容に惚れ込んで「ここへ行きたいです!」って本気を出してきたんだ。

山じいは呑気に九月の連休を利用して瀬戸大橋を渡り、丸亀製麺でない本格讃岐うどんを食す旅に出ていた時だった。

丸亀城の駐車場で中嶋君から電話をもらい、その場ですぐに高田さんに電話を入れたことをよく覚えている。

「まだいけますかねぇ…??」っと切り出すと高田さん「もうほとんど埋まってるんだけど、山下先生からのお薦めだったら引き受けます。」と言ってもらえて、そのまま入れてもらったんだ。

この間も、元気そうに働いている姿を見られて嬉しかったですよ、中嶋!!!

君はもう、高田さんの家の方角に足向けて寝れんなあぁ!!!

 

 

今春は名工大卒が5名入社予定

この春は名工大から槌屋に(全採用人数は10名の内)3名とグループ会社に2名の計5名も入社する。

急速に名工大生と槌屋の親和性が高くなってきている。

すんごくねぇかぁ???

まあ、こんなことが毎年続くとは思いませんが、少なくとも複数名の学生を今後もお世話頂けるのではないかと期待しているところ。

そんなこんなで山じいと高田さん、林さんの関係が濃くなってきたのである。

きっとこの関係性が名工大生の就職にも影響していると思う。

 

 

名工大OB・OGの就活談から学ぼう

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まあ、中嶋君の企業選びは置いておいて・・・奴の場合はパパパのパだったから、あまり参考にならない…っと言っても本来工学部の学生の企業選びなんてそんなもんなのだけどね。

どれだけ熟考して企業研究を重ねたところで、ベストアンサーなんて無いのさ。

入ってからどう働くかだよ!!大事なのはさ。

で、もう少しよく考えて入社したOB・OG2人を紹介します。

彼らがどういう経緯で、槌屋さんに入社したのか?そして今はどうなのか??そんな話を聴いてきました。 

 

関東の大学から院進学で名古屋工業大学へ来た辻さん

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先ずは生命物質工学専攻修了、院卒で2010年入社の辻君。

彼は色々と時代に翻弄されてきた。

出身は岐阜で、実家から出たくて後期試験で群馬大学の工学部の化学へ入学。

その後、名工大の大学院へ入学してきたリベンジ組です。

聞くと彼が群馬大学で在籍した研究室の准教授は名工大のOBで、山じいの授業も受けたことのある方。

彼の推挙で名工大院に挑戦し入学できたそうだ。

辻君が入った有機化学の研究室は名工大の中でも一二を争う研究バリバリの若手先生の所だけれど、そこの教授先生も名工大OBなので、就活にはそれなりに協力的だった。(これ大事なところ)

名工大の教員って大体3割ぐらいがプロパー(名古屋工業大学出身者)なんだけど、そういう先生は得てして学生の就活に優しい・・

ま、名工大ってそういう大学だよな!って判ってるからね。 

 

 

リーマンショック当時は中小企業の採用が躍進

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ところがぎっちょんちょん・・なんとリーマンショックが彼の就活を襲ったのだ。 

みんなリーマン・ショックって知ってるよな。

2008年の9月にアメリカの超巨大投資銀行が経営破綻して、世界規模の金融危機になって、日経平均株価が1か月で半値まで大暴落したあれだよ。

時期悪いよねー、9月だよ!!各社とも採用計画の見直しがあり、採用しない会社もたくさん出ていたんだ。

もう半年、いや3ヶ月遅れていたらそれなりに採用動いてたんだろうけど、また逆に内定取り消しってことにもなっていたかもね。

でもね、大手が採用を控えて名工大生の採用人数TOP10の会社の採用数がほぼ半数まで落ち込んだ分、元気な中堅・中小企業が名工大生に会える機会が増えて、名工大生を採用する会社の数が飛躍的に増えたんだ。

だから名工大生の就職率には何の影響もなかったのさ(少し学部生の就職率は落ちたかな?)。

ま、でもそんな機会があったからこそ、辻君は槌屋さんに出会えたんだよね。

リーマン様様さ!!ご縁だよね‥何事も・・・特に就活はさ。

 

 

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名工大生の就職率は、2008年9月のリーマンショックや2011年の東日本大震災の影響を受けなかったが、大手企業が採用を縮小した影響で修士卒の就職先企業数が急激に増えた。


 

 

解禁から2ヶ月後にリクナビ槌屋を知る

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辻君は有機化学系の研究バリバリの研究室にいたから、最初は当然のように大手ケミカルを中心に動いた(この当時はまだ面接解禁が4月だった)けれど、全敗・・(リーマンショックのせいだから仕方ない!)

その後で動いた第2陣もことごとく散ってしまい、6月頃の第3陣で彼が頼ったのはリクナビ。(当時は学内での業界研究会がほとんど無かった!)

そこで見つけたのが槌屋だった。

すまんかったね、あの頃は力及ばずなキャリアサポートオフィスだった。

第3陣辺りになると、みんな結構凹んでいるから、相当踏ん張ったと思う。

辻君はグズグズ考えずに「もうここで決めるぞ!」とすぐに動いて、1社目に決まった槌屋さんに飛び込んだそうだ。

 

 

裁量を持って研究できるレアな環境に一目惚れ

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で、彼が槌屋にした決め手は‥

知立のR&Dを見学させてもらったら、意外や意外・・しっかりとした研究設備を持っていて、自由に研究をやらせてもらえる雰囲気を感じ取ったんだってさ。

「なんで今まで知らなかったんだろう、こんな近くにある会社なのに・・・」と思ったそうだよ。

高田部長、広報足りてませんでしたよ!!

開発がやりたかった彼は、ここならある程度裁量を持ってテーマを任せてもらえそうだし、(実際、各自が独自テーマを持って研究していた)やり甲斐がありそうだなと感じ入社を決めたそうだ。

大手ケミカルではテーマを与えられたとしても試行錯誤できる範囲はものすごく狭い。

その点、彼は「今のテーマならば部署の上司よりも詳しいですよ!」と自信満々だった。

それだけ幅広い開発をやっていて担当者に一任している企業なんだね。

現在彼はCFRP炭素繊維強化プラスチック)の接着剤の研究をやっている。(詳細は後半)

槌屋はただ量産するだけでなく、開発と製品の評価をしっかりとできる歴としたメーカーなんだ。

 

 

学部卒前提で研究室を探した田中さん

さて、次は名工大リケジョ・生命物質工学科の学部卒で2017年入社の田中さん。

化学の学科に入って勉強や実験をしているうちに、「なんか研究って違うんじゃない??あ・た・し!」と思い始めたそうだ。

 

生命物質工学科には結構こういう子がいる。

彼らは学部就職を目指し、学部就職を許してくれる研究室(意外にこれ少ない。せめてマスターまで進んでもらわないと研究ができないからね…)を探す。

就職先はできれば化学関連の知識が必要とされる営業職を探す・・・学部就職の割には贅沢が過ぎるか??

 

かく言う山じい研究室は学生にマスターへ行くことを強要している。研究は良いんだけど、学部4年次の一年間では教育できないじゃん。

うちは社会人基礎力を上げるための研究室です。

人間力を上げて社会に飛び立たせるために研究と大学全体の学生支援、そして研究室運営を活用します。

だから一年ではクソの役にも立たないのさ!!

おお、脱線した。話を戻そう・・・

  

 

化学系メーカーの営業を志し遠征就活

彼女は就活の初期段階で化学系の技術営業を目指したけれど、この東海地区にケミカルの大手(本社)は無いから面接のために東京や大阪を駆けずり回らなければならずお金が掛かったそうだ。

就活って意外とお金掛かるからね・・きちんと貯めておくんだよ。

で、田中さん・・・遠征したにもかかわらず、なかなか選考が上手いこといかず‥

そりゃそうさ、東京本社の大手には全国から百戦錬磨の営業志望がやってくるわけで、名工大の田舎娘には敷居が高かったね。

 

 

開発を一任してもらえる喜びと責任

彼女は結局、地元(知立出身)の2社から内定をもらった。

もう一社は完全に営業だったので、技術もやれて営業への異動も可能な槌屋を選択したんだって。

じゃ、田中さんは就活する前に槌屋のことは知っていたのかというと・・・

自宅と同じ知立市内にあるのに、就活をして初めて知ったって(@_@;)。

彼女曰く、国道一号より北側の事は知らないってさ・・・(知立市民からすると国道の北側にはカキツバタの里ぐらいしかないと思われているのでは。)

田中さん、研究室は無機触媒の研究室だったんだけど、今は食品検査装置(槌屋さん幅広過ぎ!!)の開発を先輩と2人でやってるんだって。

槌屋もチャレンジングだよなあ!!

だってまだ学部卒の2年目の子だよ。

うちのM2のタメだよ?

それも全く無関係な研究をしてきた彼女。

槌屋大丈夫ですかぁ??って、思ったけど、社内見学の際、彼女の研究室できちんと説明してくれていたからしっかりとしたもんだよ(詳細は後半)。

ホントやり甲斐のある会社さんだよね、槌屋は。

  

 

リケジョのキャリア形成は実家の近さとお相手が肝

前回の日東工業で紹介した大坪さんもそうだけど、田中さんも通勤手段はチャリ・・

これで良いパートナーを社内か三河地区のお給料の良い会社で見つけられたら、長いキャリアを槌屋で送ることができるんだけどなあ・・

高田部長、良い人紹介してあげてくださいな(いらんお節介か...)。

でも、そこのところ本当に女性は大事だよ。

これ山じいの持論『女性技術者がキャリアを長く継続するためには実家の近くの企業に入ろう!そして社内で良い人を見つけよう!』なんだ。

まだ槌屋には女性役員はおらず、管理職も2名でダイバーシティといった点では発展途上の会社だけど、人事の高田部長は女性の働き方改革を大事に考えてみえるので、大丈夫だよ。

今後制度と環境が整っていくだろう。

田中さんの活躍に期待!

 

山じい

 

後編記事はこちら

 

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株式会社槌屋

1950年創業、名古屋市中区に本社を置く製品開発型商社。自動車・OA機器・住宅・家電分野を得意とし、航空宇宙や医療機器などの分野にも挑戦している。「研究開発」「製造」「販売」機能を持ち、顧客のニーズから製品を開発・提案できるのが強み。グループ会社を国内に11社、海外に14社展開。豊富なノウハウとネットワークで世の中の「あったらいいな」「だったらいいな」を叶えるべくモノづくりを追求している。

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左、槌屋グループ 知立拠点 右、株式会社槌屋 名古屋本社


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