名工大生においしい就活情報をお届けする対談企画「山じいと楽しい仲間たち」。
山じいが公私で交流のある様々なプロフェッショナルをお招きしてお話を伺います。
第3回目は学生団体「名工大就活・キャリアサポーター(以下、就サポ)」の元副リーダー、粟田裕崇さん。
名工大生の就活を支援する学生団体として積極的に活動を続ける彼らと、山じいの研究室に所属して人生の大きな転機を得た粟田さんのキャリア選択ついて伺ってきました。
先輩の就活を支援する!? 就サポとは
ー名工大就活・キャリアサポーター(以下、就サポ)について詳しく教えてください。
就サポ元副リーダー粟田裕崇さん(以下、粟田):僕たちは名工大生にキャリアを設計するための場の提供、キャリアを実現するための就職活動の支援を指針に掲げ年間を通して様々な活動を行っています。メンバーは学部3年生から修士2年の4学年で30名ほど。
主な活動内容は、イベントの運営です。
前期にはインターンシップを体験した先輩の話を聞いて、インターンシップの理解と参加意欲の向上を目指す「インターンシップ経験者座談会」。後期には内定者の話を聞いて、就活全体の流れの理解や、不安の解消を目指す「内定者カンファレンス」。それ以外には、企業の人事さんをお招きして直接面接をしていただく「面接練習会」など、様々なイベントを開催しています。
まだ就活を経験していないサポーターがほとんどですが、学生の目線で企画を立て実行、そのノウハウを後輩に伝え続けています。
イベントの集客は、5111ガイダンスでの告知、サポーターが友達を誘ったり、twitterやメールも活用しています。小規模なイベントは満員御礼になることも多いですね。
最近の活動でいうと、全く新しい試みとして「学部卒で就職する学生向けのイベント」を実施しました。
名工大生はほとんどが院へ進学するし、研究室配属の前ということもあって、同じ状況の就活仲間を見つけにくいんです。
そんな孤独な就活をしている子たちのために「仲間意識を作る」というコンセプトを決めて、1回きりでは仲間意識は生まれないだろうということで、全5回開催しました。
就活になぞらえて①経験者の話を聞く ②自己分析 ③ES添削 ④企業に質問 ⑤面接練習の順番で実施し、グループごとに話し合いながら自主的に進める内容でした。
企画の進行は学部3年生を主に行います。修士2年の僕は、後輩のサポートが役割でしたね。
山下教授(以下、山じい):他大学だと就活終わった学生が後輩に向けてアドバイスしたりするのが普通だけど、うちは別。学部3年生のサポーターが修士1年の面接練習したりするからね。
ーなかなか大変な活動ですね。研究や勉学に支障はありませんか?
山じい:人生に支障は出ないから大丈夫。笑 活動を通して学ぶことはものすごく多い。
就活に関する学生団体は「みんなで頑張って就活乗り切ろうぜ」という自己研磨のスタンスが多い。
でも名工大の就サポは「しっかり支援をする」ことが目的。
上位1割の学生はほかっといても自分で就職できる。下位1割は学生なんでも相談という形で臨床心理士とキャリアサポートオフィスが面倒を見ている。就サポは残りの8割、ぼーっとしている普通の学生に向けた支援を念頭に活動しているわけ。
粟田:研究との両立は本当に大変です。僕は山下研なので、多めに見てもらえましたが。
サポーターは選ばれし猛者たち
ーサポーターはどうやって集めていますか?
粟田:学部3年生の選択科目「キャリアデザイン」という授業のティーチングアシストをしながら、就サポの活動に賛同してくれる優秀な学生を見つけます。そして選ばれし学生はサポーターになり、翌年ティーチングアシストを務めるというサイクルです。
山じい:選択科目だから任意履修なんだけど、「キャリアデザイン」って言葉の響きに惹かれて学生は選択するのね。大半が「何かいいこと教えてもらえる」と思って受け身で来るんだけど授業の内容は自主性が問われる。
具体的に言うと、会社のことを調べて自分たちのWill Can Mustを作る。企画を立てて実行、フィードバックの<PDCAの繰り返し>を通して各々の社会人基礎力を上げるというもの。
この授業内で就活や自己成長に関心のある「キラっ」と光る子を見つけて就サポにスカウトするわけ。
正課授業で社会人基礎力を養う
ー自律した活動ができそうなメンバーの探し方ですね。活動が始まった経緯を教えてください。
山じい:平成22年度に経済産業省が実施する『社会人基礎力育成グランプリ』でキャリアデザインの授業で作ったコンテンツをそのまま発表したら地方大会で準優勝したの。
1年目の悔しさをバネにしっかり作り込んだら、翌年は全国大会で委員長に褒められた。この活動がきっかけで、発足自体は平成24年度の3月。安井っていうちょっと変わった奴が創始者。
『社会人基礎力育成グランプリ』って他大学は「お酒作りました」とか「地元企業と一緒に課題に取り組みました」っていうPBL(Problem Based Learning)を発表することが多いんだけど、少数で集中して取り組まないと成果が出ないから、学習機会が一部の学生に限定されてしまう。
それでは大学の活性化にならないと思った僕は、授業を通してキャリア教育の場を段階的に提供しつつ、精鋭を集めた就サポの活動で大学全体のボトムアップに取り組んでいる。
大学3年生前期にキャリアデザインの授業、夏季休暇のインターンシップ、4年生の環境高分子化学という授業で課題設定型プログラムを体験、その後研究室を選択していくという流れ。
ー就サポは山じいのキャリア教育サイクルの中でうまく機能している重要な団体ですね。
山じい:他にも学内組織をたくさん担当しているんだけど、学生支援型の団体は「就サポ」「PIAサポ(学生相談)」「SAYA(理系女)」の3つ。
それぞれが新しいメンバーを見つける「狩場」を持っていて、学生は積極的に運営してくれているよ。
山じいのおかげで出会えた「やりたいこと」
ー就サポの活動を通して粟田さん自身に変化はありましたか?
粟田:一番大きいのは、やりたいことを見つけられたことです。この春から人材系サービスの会社で働きます。
ー名工大生としてはすごくレアな選択ですね。きっかけはありましたか?
粟田:就活にはギリギリまで悩んでいましたが、修士1年の冬に進路を決定づける出来事がありました。
僕が企画したイベントにあまり就活に前向きではない友達を誘いました。でもイベント終了後、彼は会場に残って企業の方からフィードバックをもらっていたんです。それを見たとき、涙が出るくらい嬉しかった。もし僕がこの企画をしなかったら彼は…と考えるとすごくやりがいを感じました。
そこで決心がつき、すぐ山下先生に相談に行きました。
ー粟田くんの決意を聞いて山じいはなんておっしゃったんですか?
山じい:お前はアホか!と。でもまあ俺のせいやし、しゃーないわな。
でも好きなことを仕事にするのはしんどいんじゃないかなっていう不安がある。
僕は流れに身を任せ続けた結果今があって、行った先々でできることをして筏下りしてきたわけ。でもやりたいことで仕事を選んだ場合、そこに届かないことの方が多いと思う。そのストレスはかなりしんどいんじゃないかな。
ま、できなかったときの切り替えが重要だね。そこでいかに頑張って成果を出せるか。
ーすごく父親的な心配をしてくれていますね。就サポで得られた経験が粟田くんを社会人基礎力のある大人にしたんですね。社会人一年目頑張って下さい!応援しています。
名工大就活・キャリアサポーター
名古屋工業大学の学生対してキャリア支援、就活支援の活動を行う学生団体。学部3年から修士2年の学生で構成され現在のメンバーは30名ほど。自主的にイベントを企画する中で学生は多くを学ぶ。サポーターを随時募集中。https://twitter.com/nit_syusapo
profile 粟田裕崇さん
名工大就活・キャリアサポーターの元副リーダー。学部3年の頃成績があまり良くなかったため就職しようと考えていたが、研究室プレゼンで「社会人基礎力を身につけられる」と謳う山じい研究室の存在を知り進学。以後積極的に就サポの活動に取り組む。この春からリンクアンドモチベーションに就職し、現在はおそらく五月病を迎えている。
次回は高砂電気工業
さーて、次回の仲間たちは?名古屋市緑区に本社を構える「高砂電気工業」にお邪魔してきました。
つかっちゃん
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